鍵がない会社のロッカー

庶務課の山田さんは50歳過ぎているのに独身で、いまだにお母さんの手作り弁当を持参している。分厚いメガネはいつも汚れで曇っていて、スーツも数着しか持っていないのか、いつもよれよれで不潔っぽい感じだ。私たち女性社員からも距離を置かれているし、同世代の男性社員からも「あいつはちょっと」と言われてしまっている。最近特に、彼が女性社員たちから変な目で見られているのは、うちの会社のロッカーに鍵がないことから始まっている。

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うちの会社は女性社員でも制服がなく、皆それぞれ思い思いの格好で仕事をしている。貴重品はそのままデスクの方に持ち込むし、デスクには鍵がかけられ、それぞれ個人が管理できるので、今まで特に不便を感じたことはない。デスクの他にわざわざ個人にロッカーまで与えてくれてるのは、会社の好意と言ってもいい程で、男性なら急なお通夜等のために喪服をしまっていたり、女性ならレインブーツや急な気候変化に対応するための羽織物などが入っている。でもそのロッカーは、元々鍵がない。つけようと思えば自分で南京錠などを買ってきて、鍵をかけることも可能だ。でも今まではわざわざそんなことをする人は居なかった。

金庫を開けたいです。

でも最近、庶務課の山田さんが、勤務時間中に女性社員のロッカーを開けているのではないかという噂が出ている。それは女子のロッカーが庶務課の管理する倉庫まで続く広い廊下に置かれていて、その倉庫に出入りするのが庶務課でも山田さんだけだから、そんな話になったのではないかと推測される。ロッカーを開けているといっても、誰も中身を盗まれたとか、中の荷物の配置が変わっていると訴えている者はおらず、ただなんとなく、彼ならそんなこともしそうだという、イメージで言われているに過ぎないのだろう。

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でもそんな噂が流れるくらいなら、自分たちで南京錠をつけるなり鍵をして自衛をすれば、誰も不快な思いをしなくていいと思う。